10000本というルール

今日は久しぶりに午後時間が空いたので、the surfers journal 日本語版を読み返していた

クリスチャン ビーミッシュの記事が冒頭の題名で書かれていて

曰く10000本削ってからが本物だといった内容で、興味のある方は是非読んで

いただきたい

僕はスノーボードのチューンをシェープと思ったことはない、あるとすれば

リシェープもしくはマシーンシェープの後のスクリーンワークに近いものだと

思っている、端的に言えば包丁の研ぎ屋やなどが近い世界なのかもと思っている

違いがあるとすれば、ワックスという蝋を塗り込んでなぜ滑るのか?未だに

解明されていない、雪との相性を探ることも仕事の一つということだと思う

自分のことで言えば、スノーボードをハンドで10000本は削れていないし

ただ単にエッジを触ったということで考えても、到底届かない本数だ

もっともその昔マシーンで研いでほぼそのまま出荷されていた時代のことで言えば

相当の本数をこなしていたとも思うが、それを数えてしまったら、この話はここで終わりに

なってしまう、シェーパーなのか研ぎ屋なのか調律なのか整える職人なのか

それは、板に携わる職人の考え方次第

マスターシェーパーになることは10000本の壁を越えなければならないと

言うことだ、その本数に遠く及ばなくても数多くの失敗や挫折を繰り返して習得した作品を

ベストな状態でカスタマーに届けることが僕たちの使命なのだ

日々繰り返される作業の中で常に最善を考えベストなものをイメージして取り組んだ

製品をお届けしているのだが、求める世界はさらに深く遠く、日々進化している

前にも書いたが人が感じられる数字に表れない曲線と直線の連続した変化を

追求していきたい、そこには雪とスノーボードというアートの織りなす世界が

間違いなく存在する、少しでも10000本の世界に近づけるように

板を整え続けるのだ